偽王子と嘘少女
「今日、橙里と勉強会するんでしょ?」
「えっ! なんで知って…」
不意打ちの言葉に、動揺が止まらない。
「見えちゃった、スマホの画面」
「あ、なんだ…そういうことか」
じゃないよ!
希子は紫水くんのことが好きなのに、私がこんなことしていいのかな?
心配になって希子を見つめると。
「私のことは気にしないで」
「えっ、でも…」
「いいから! ちゃんと楽しんでくるんだよ」
「うん…!」
やっぱり、希子は格好良いなぁ。
いつもの笑顔を眺めながら、私も笑った。