偽王子と嘘少女

そして来てしまった図書館。


ここへ来るのは藤堂くんと勉強会した以来だから、なんだか緊張する。


空席に座ると、ほぼ同時くらいに紫水くんが来た。


「久しぶり、柊さん。わざわざごめんね」


「ううん、平気だよ」


朝からものすごく楽しみにしてたから、なんて言えるはずもなく。


「さて、勉強始めよっか」


久しぶりに見た紫水くんの笑顔に、あんなにしていた緊張もすぐに溶け、懐かしさを覚えるのだった。


よし、私も頑張ろう！