情愛シンデレラ～悪魔な副社長と堕ちない花嫁～

生徒会長だった彼は学園内では怖いもの知らずで、カーストのてっぺんに立って居た。
でも、彼の上にはお爺様である桐生会長が居る。
桐生家当主には歯が立たない。
蓮はカラダを起こして、後ろ髪をイラついたように掻き毟った。

桐生会長が望む蓮の相手は桐生家と対等に力を持った家柄のお嬢様。
私と結婚すれば、蓮は全てを失くすかもしれない。
今の蓮でも十分、別人なのに。
全部失えば、蓮じゃなくなる。

「蓮、私も貴方を愛してる。でも、愛してる以上に貴方には恨みがあるの」
カラダを起こして、素直なキモチを伝える。
私だってこの恋には戸惑いばかりが付き纏う。
高校時代の私は彼が大嫌いで、一生会いたくないと思っていた。
なのに、蓮の方から近づいて来て結婚しろと迫った。



「貴方にビンタした私はその後、酷い苛めを受けたの。蓮がそのコトを知っていた。首謀者が萩尾先輩だってコトも」

「・・・今では後悔している。萩尾の苛めを黙認したコトを」

「今更ね・・・」

「過ぎた話だろ？」
私は軽く流す蓮の頬をビンタした。

「・・・過ぎた話じゃないわ！私は貴方が大嫌いになったの。一生会いたくないとさえ思ってた」

「お前、また俺にビンタしたな・・・これで三度目だぞ」
蓮はビンタされた頬を押さえ、口惜しげに呟く。

「貴方を見ていると高校時代の暗い私を思い出すの・・・一生忘れたい黒歴史を」

「愛よりも憎さが勝ってる…そう言いたいのか？日葵」

「かもしれない・・・」

「ケリはついたな。お前は実家に帰れっ。二度と俺の前に現れるなっ！！」