情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
「お兄様、何を考えているんですか?日葵を追い出しておいて、明日見合いって・・・」

「お爺ちゃんの命令だ。仕方ちゃんねぇだろ?」

「性格の悪いお兄様もようやく改心して、中身もイケメンになったとお母様と喜び合ってたのに。見損ないました」

日葵と仲良しだった眞彩はカンカンに怒り、俺を責めて部屋を出て行った。
「少し位人の話を訊けよな。眞彩」

「妹の眞彩ちゃんにも言われてるのか?性格悪いって・・・」

「蒼斗お前は俺のストーカーか?邸宅まで押しかけるなっ」

「俺はお爺様の命により、二十四時間お前を警護しなきゃいけないんだ」

「まさか…明日の見合いまで付いて来るのか?」

「当然だ」
蒼斗はドヤ顔で返し、しっぽを振るラッキーの頭を撫でた。

「ラッキーお前は相変わらず従順だな。蓮に苛められてないか?」

「ラッキーに何訊いてんだよ!?」

「別に・・・いちいちうるさいご主人さまだ。ラッキー」

「ラッキーに同意を求めるなよ」

日葵は俺が仕事をしている間に、邸宅に赴いて私物を自宅に持って帰ったようだ。

でも、一つだけ忘れ物があった。

俺が日葵にプレゼントした四十本の薔薇の花束。
日葵は花瓶に入れて飾り、枯れた後は逆さにしてドライフラワーにし、再び、花瓶に入れ、マントルピースの上に飾っていた。

薔薇の花束ぐらい、毎日プレゼントしてやるのに貧乏性な女だ。



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