情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
デザートはフロマージュのケーキとコーヒー。


「ケーキもやるよ」

蓮さんはコーヒーを飲むだけでケーキには触れなかった。


私が食べ終わるのを待っていたかのように自分のケーキを差し出した。


「本当に要らないんですか?」


「甘い物はスキじゃない」

コーヒーを飲み終えた蓮さんはテーブルに片肘を付いて、個室の窓から覗く夜景を眺めた。

私は蓮さんから頂いたケーキを口に運ぶ。


「私、こうしてフレンチを楽しんだのは久し振りです」

「俺は逆に食べ飽きている」

何とも贅沢な・・・私は半分呆れながら言葉を続けた。


「昔は良く家族で外食していました。でも、ここ何年はご無沙汰で・・・きっとずっと前から父の会社は・・・」


「父親の会社のコトは気にするな」


「本当に感謝します」


彼は悪魔だけど、父の会社の窮地を救ってくれた救世主。


「貴方のコトは嫌いですけど、その点は感謝します」

「・・・花束やってこれだけ美味いモノを食わせてやってんのに・・・まだ、俺のコト嫌いとか言うのか?」


「蓮さんは私のコト憎んでいるんでしょ?」



蓮さんは色素の薄い瞳を迷走させ、グラスの中に残っていたワインを飲み干した。

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