情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
「貴方のコトは嫌いです」

「…俺が嫌いって何度も言うな・・・」

「期待持たせる方が失礼かと」

「どっちも失礼だ・・・俺はお前の為に敦司様に・・・」

「敦司様って?」

「こっちの話だ」

蓮さんは拗ねたように頬を膨らませてコーヒーをまた口に含んだ。

「・・・何もしなくても、オンナの方から寄り付いて来たのにな・・・やっても堕ちない女はお前が初めてだ。日葵」



―――――嘘でもスキって言ってあげた方がいいのかな?

蓮さんは一人で笑い出した。

「世の中に手に入れられないモノってあったんだな」

「えっ?」

「でも、俺は認めない。
俺はお前にスキと言わせてやるっ。
有言実行って言葉知ってるか?日葵」

「知ってますけど・・・」

「『有言実行』それが桐生家の家訓。俺は家訓に乗っ取り、お前にスキと言わせてみせる」

桐生家・・・

私はその桐生家の嫁になるかもしれない。



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