殺人鬼からのラブレター
「アイはもっと自信持ちなよ。美男美女のおじさんおばさんから貰ったその美貌があるんだし、そんじょそこらの女子には負けてないよ?」

「さっちゃん、それは言い過ぎ」

「まっ、鈍臭いのがたまにキズだけど」

「うわーっ、さっちゃんもレンと同じこと言ってる....。持ち上げたと思ったら即落とすとか、あなた達はドSかっ」


そんな朝の挨拶代わりの談笑を交えた後、目の前の彼女がポンッと手のひらを叩いた。

「あ、そう言えば、さっき話し掛けてた言いたいことってなに?『災難なこと』、って言ってたけど」


「あ、それなんだけどさ、ちょっと聞いてよー。実はさ、今日、家のポストに....」


そこまで言いかけた時、視線は自然と教室の時計に動く。

時刻は、8時20分....。


【8時20分、福田 幸枝にこの手紙について相談をする。】


あの手紙と、同じ....!


まるで誰かに誘導されるかのように、ごく自然に同じ行動を取っている自分がいた。


動揺して動いた身体が、ガタンッと椅子にぶつかる。
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