キミと私の好きなヒト
キミと私の好きなヒト
秋にはまだ少し遠い、夏の終わりが近い風が指先をくすぐる、そんな日のこと。
双子の姉に、私なんかじゃなにもかも敵わないキミに、私の好きなあのヒトが告白した。
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私・澤田 理加(さわだ りか)と姉・澤田 実加(さわだ みか)は一卵性の双子なだけあって、顔立ちはそっくりだ。
身長はさして変わらないし、幼い頃はよくそろいの服を着せられていた。
だけど、成長してくると違いははっきりしてくる。
お団子頭に大きな瞳。
元気で、男女問わず友だちがたくさんいて、いつだって周りには誰かがいる実加。
食べることが大好きな食いしん坊なのにちっとも太らない体質で、羨ましがられているところをよく見かける。
そばにいるだけで楽しくなるような、そんな眩しい存在なんだ。
それに対して私は、昔身体が弱かったこともあり、いまだに食が細くて朝なんてほとんどのどを通らない。
髪をくくると頭が痛くなるから、伸ばしたまま放置しているロングヘア。
無口で無表情ととっつきにくいからほとんど友だちがいない。
白のシャツに、地味な濃紺のリボン・スカート。
同じものを身につけているはずなのに、私たちはこんなにも違う。
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