意地悪な片思い

 下のオフィスの扉を開ける時、ガシャンと思ったよりも大きな音を立ててしまった。

機嫌が悪いことがこれじゃ丸わかりだ、大の大人としてこれじゃぁまずい。慌てて扉を閉めるときは静かに動かした。


 私は担当の雨宮さんを呼んでもらい仕事内容を告げる。大体ここへ来るとき、担当していただくのは彼、雨宮さんだから私も気心が知れている。彼が1歳上だから話しやすかったりもするんだ。

「私も時間が空いた際お手伝いしますので、今回もよろしくお願いします。」

「はい、分かりました。」

「何か質問とかありますか?」
 彼が資料をじっと眺めていたので私は尋ねた。

「思ったんですけどこの廃材でミニチュア家を作ろうってやつ、実際の廃材いくつか準備してもらえます?

例があった方が、子供たちの意欲につながりますよね?」

「あ、そうですね!
分かりました、相談してみます。早めに廃材が届くように頼んでみますね。」

「お願いします。」
 じゃぁそんぐらいですかね、彼が微笑みながらつづけた。

「ではそういうことで。
よろしくお願いします。」
 私は頭を下げてお礼を告げる。

「市田さん無理しないでくださいね。」
 そう言ってくださった彼に、私は雨宮さんもと優しく笑った。

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