意地悪な片思い

『休日に失礼します、市田です。

一昨日の飲み会楽しかったです、速水さんはお忙しかったんですか?』

って来なかった理由聞くのは…!
速水さんは私がいるのが嫌で来なかったってこともあり得るんだし、自分で墓穴を掘ってるようなもんだ。

これは当然ボツ、ボツ。私はバツ印のところをタップする。
でもすぐにタップするのをやめた。


なんで本当に来なかったんだろう。
いろいろ話したかった、話さなきゃいけないこといっぱいあったのに。

仕事がもし理由じゃなかったら、
来なかったのは、確実に、

私に呆れたってことだよね。


避けたのは速水さんのことが嫌いだったから。
本当はそうじゃないけど、あの飲み会の後の会話で、速水さんがそう勘違い起こしていても不思議じゃない。

としたら、私のこと嫌いになって当然だ。避けたとして当然だ。
私だって嫌いだと思われている人に近づこうだなんて思わない。


「……ばかだな、私。」
先ほどは消さなかった文字を今度は間違いなく私は消した。

真っ白になるスペース―――私は新たな文字でそこを黒くしていく。


『市田です。内川くんに連絡先伺いました。
また4人で飲みたいです、


速水さんも今度は絶対一緒に。』

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