クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
ワンピースの裾が足にまとわりつき、思ったように前に進めない。それでも、顔に水が掛かりながらも必死の思いで、朱音さんに追い付くと、その肩をガシッと掴んだ。
「……朱音さんっ、何やってるの!」
「は、離してよっ!」
朱音さんは私の手を払いのけ、なおも先へ進もうとする。
「ちょっと、待って!」
私は今度は後ろから朱音さんの体を羽交い締めにして、これ以上、先へ行かせないように足を踏ん張った。
「何するのよ!」
朱音さんはさらに暴れようともがく。
彼女の腕が何度も勢いよく水面に振りおろされ、そのたびに頭から水をかぶることになってしまったけど、私もそう簡単に離したりはしない。
「朱音さん、何でこんなことするの!?」
「放っておいてよ!私なんか、生きてても迷惑かけるだけだから!」
まさか、本気で溺れるつもりなの……!?
「何……言ってるのよ!こんな冷たい川に入ったら……」
私は一瞬、言葉を続けるのをためらった。でも、今の朱音さんは、明らかに正気を失ってる。
「お腹の赤ちゃんが、寒くて、震えてる!!」
「!」
私の言葉に朱音さんの抵抗する力が弱まった。
……やっぱり、そうだったのね……。
街をさまよってる姿を見た時、勘だけど、そんな気がしてた……。
その事が彼女をこんな行動に走らせたのか、と考えるよりもまず、朱音さんをここから引っ張り出すことが先決だ。
小さい頃は、実家の神社の長い石段を妹弟や友達と駆け回ってたから、体力には自信がある。さすがに、川で泳いだことはないけど!
私は、力が抜けて放心状態の朱音さんの体を引きずって、何とか川辺に戻った。
「……ハァ……ハァ……」
二人とも河原の砂利の上に崩れ落ち、大きく肩で息をする。
私は辺りを見渡して、トレンチコートを見付けて拾い上げると、朱音さんの体に掛けた。
体力には自信がある、って思ってたけど……やっぱりアラサーの身で人ひとり引きずるのは、キツかったか……。
全身ずぶ濡れで、体が鉛のように重い。
風の冷たさが、濡れた体から容赦なく体温を奪っていく。私自身も、しばらく動けそうになかった。
暗闇の中、聞こえてくるのは川を流れる水の音だけ。
正直、今は息を整えるのが精一杯で、話す気力もなかった。
「……ぅっ……これから……どうすればいいのよ……」
しばらくして、朱音さんが絞り出すような声で言った。
「……朱音さんっ、何やってるの!」
「は、離してよっ!」
朱音さんは私の手を払いのけ、なおも先へ進もうとする。
「ちょっと、待って!」
私は今度は後ろから朱音さんの体を羽交い締めにして、これ以上、先へ行かせないように足を踏ん張った。
「何するのよ!」
朱音さんはさらに暴れようともがく。
彼女の腕が何度も勢いよく水面に振りおろされ、そのたびに頭から水をかぶることになってしまったけど、私もそう簡単に離したりはしない。
「朱音さん、何でこんなことするの!?」
「放っておいてよ!私なんか、生きてても迷惑かけるだけだから!」
まさか、本気で溺れるつもりなの……!?
「何……言ってるのよ!こんな冷たい川に入ったら……」
私は一瞬、言葉を続けるのをためらった。でも、今の朱音さんは、明らかに正気を失ってる。
「お腹の赤ちゃんが、寒くて、震えてる!!」
「!」
私の言葉に朱音さんの抵抗する力が弱まった。
……やっぱり、そうだったのね……。
街をさまよってる姿を見た時、勘だけど、そんな気がしてた……。
その事が彼女をこんな行動に走らせたのか、と考えるよりもまず、朱音さんをここから引っ張り出すことが先決だ。
小さい頃は、実家の神社の長い石段を妹弟や友達と駆け回ってたから、体力には自信がある。さすがに、川で泳いだことはないけど!
私は、力が抜けて放心状態の朱音さんの体を引きずって、何とか川辺に戻った。
「……ハァ……ハァ……」
二人とも河原の砂利の上に崩れ落ち、大きく肩で息をする。
私は辺りを見渡して、トレンチコートを見付けて拾い上げると、朱音さんの体に掛けた。
体力には自信がある、って思ってたけど……やっぱりアラサーの身で人ひとり引きずるのは、キツかったか……。
全身ずぶ濡れで、体が鉛のように重い。
風の冷たさが、濡れた体から容赦なく体温を奪っていく。私自身も、しばらく動けそうになかった。
暗闇の中、聞こえてくるのは川を流れる水の音だけ。
正直、今は息を整えるのが精一杯で、話す気力もなかった。
「……ぅっ……これから……どうすればいいのよ……」
しばらくして、朱音さんが絞り出すような声で言った。