クール上司の甘すぎ捕獲宣言！
「小野原さん……っ」

私は歩道に飛び出し、前に立った。

その人－－小野原さんは、いきなり現れた私に驚きを隠せない様子だった。

「……香奈？ こんな所で何して……」

「小野原さん！」

何か言われる前に、言わなきゃ……！

いや、何も言われないかもしれない。この前みたいに、黙ったまま去っていかれるかもしれない。

怖いけど……何もしないままじゃ、何も変わらない……！

……逃げるな、私……！





「小野原さん、この前はごめんなさい！」

私は頭を下げた。

「傷付けてしまったこと、謝ります。でも、あれは私の本心じゃないんです」

「……」

小野原さんはじっと私を見ている。その表情からは何も読み取れない。

「信じてもらえないかもしれないけど、私、小野原さんとこれからもずっと一緒にいたいんです……！」

私は勇気と共に、一歩前に進んだ。







「私、小野原さんのことが好きです……！
もし、許してもられるなら、私、小野原さんの彼女に立候補していいですか……！？」





私達の間に、沈黙が流れる。

その空気が痛くて、耐えられず、私はぎゅっと目をつぶると、右手を前に差し出した。

まるで、某お見合い番組で、最後に出演者が意中の相手に告白する時のようなポーズで。



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