クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
首を縦に振らない私を見て、課長は、「ゆっくりでもいいから、俺と向き合ってほしい」と言った。

ご期待に添えるか、自信無いですけど……。



でも。

やっぱり部署が違うと、本当に接点がない。

これじゃ、課長のこと、知りようがないじゃない。

だけど、営業部で覗き見なんてしたら、周囲から、たちまちストーカー扱いされてしまう。

そこで念のため、信頼出来て、客観的に物事が見られる人に、聞いてみることにした。

「笹倉さん、小野原課長って、どんな人なんですか?」

昼休み、思いきって尋ねてみた。笹倉さんは長くこの会社に勤めてるし、結婚してるから、小野原課長を恋愛対象として見てないはず。だから、他の独身女子社員と違って、冷静な意見が聞けると思った。

「小野原課長?……あ、もしかして、永沢さんも、あの人のこと気になってる?」

「ちっ、違います! ……ただ、女子に人気があるのに、なんで、誰とも付き合わないのかな、って。それって、やっぱり中身もクールな人だからなのかな、って……」

「……そうねぇ、私も昔、同じ部署にいたから知ってるけど」

「え、笹倉さん、営業部にいたんですか?」

「そうよ。結婚を機に、異動したの」

知らなかった。笹倉さん、営業事務やってたのか。

「受ける印象は、昔と変わってないわね。いつも冷静で。でも、仕事に対する姿勢は同期の子の中では一番熱かったかな。すごく真面目だったよ。この会社、社内恋愛してる人って結構いるけど、彼は誰かと付き合ってた、っていうような噂は聞かなかったな。プライベートはさすがに知らないけど」

「……そうなんですか……」

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