婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
私の父が社長として経営する生駒カンパニーは、主にアジア諸国を相手に貿易取引を行う専門商社だ。
中小企業ではあるけれど、祖父母の代から続いた会社で、安定した業績と長年に渡る各国と友好な繋がりがある。
そこに目を付けたのが、国内最大手の海運会社、春海海運の現社長だった。
新たに手掛けた事業……というのは、超リッチなアジア各国周遊クルーズツアーの就航だ。
業務提携よりも合併……これまで代々続いた社名を失ってでも、経営者として父が賭けに出たのは、今後を見据えた経済的な裏事情があるのももちろん知ってる。
私が高校生の時からそんな話が持ち上がり、紆余曲折を経た上で、二年前、合併同意にこぎつけた。
その合併の際、父が春海海運の社長に挙げた条件というのが、私と樹さんの婚約だ。
合併合意書の調印式を終えた日、帰宅した父は私に満面の笑顔を浮かべて、私に婚約のことを告げた。
『喜べ、帆夏。お前にとって最良の縁談だ。これでお前の一生の幸せは保証されたも同然だぞ』
酔っ払って赤ら顔の父が声高らかに発した、とんでもないそんな言葉……。
もちろん当時まだ大学生だった私は、すんなり「はい」とは頷けなかった。
いくら良縁と言われても、父の会社の為に婚約、結婚なんて……。
樹さんの言葉じゃないけど、昭和じゃないんだ、いつの時代の話だ、なんて思った。
中小企業ではあるけれど、祖父母の代から続いた会社で、安定した業績と長年に渡る各国と友好な繋がりがある。
そこに目を付けたのが、国内最大手の海運会社、春海海運の現社長だった。
新たに手掛けた事業……というのは、超リッチなアジア各国周遊クルーズツアーの就航だ。
業務提携よりも合併……これまで代々続いた社名を失ってでも、経営者として父が賭けに出たのは、今後を見据えた経済的な裏事情があるのももちろん知ってる。
私が高校生の時からそんな話が持ち上がり、紆余曲折を経た上で、二年前、合併同意にこぎつけた。
その合併の際、父が春海海運の社長に挙げた条件というのが、私と樹さんの婚約だ。
合併合意書の調印式を終えた日、帰宅した父は私に満面の笑顔を浮かべて、私に婚約のことを告げた。
『喜べ、帆夏。お前にとって最良の縁談だ。これでお前の一生の幸せは保証されたも同然だぞ』
酔っ払って赤ら顔の父が声高らかに発した、とんでもないそんな言葉……。
もちろん当時まだ大学生だった私は、すんなり「はい」とは頷けなかった。
いくら良縁と言われても、父の会社の為に婚約、結婚なんて……。
樹さんの言葉じゃないけど、昭和じゃないんだ、いつの時代の話だ、なんて思った。