ひと月の妹

 
パーティーはいつだって

騒がしくてとてもにぎやかだ

大勢の人に囲まれる華やかな女性

大輪の華の象徴

それが彼女

紫藤家の母親

「紫藤佳代子」

警戒者はいつだって

上手く立ち回るものだ

「あら、みかんさん、ごきげんよう」

「結婚式では、ありがとうございました。」

「本当におめでたいこと」

紫藤佳代子は満足げだ。

「すべてのことに感謝申し上げるわ、みかんさん」

「恐れ入ります。」

「司さんも婚約したわ」

「おめでとうございます。」

「佳澄さんはいいお嫁さんになると思うわ」

「佳澄さんと司さんは良くお似合いですから」

「あなたのその一言が一番うれしい言葉だわ」

「またね、みかんさん」

「はい」

 

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