青春絵図の定義




「くっそ、相川羨ましいー!!」

遠野君がわらう。


あぁ、無理しないで。ごめんね。


心の中で謝りながら、「本当に勝手だな」と呆れた様にため息をつく。


「おい遠野!こっちこいよ、この写真お前めっちゃいい感じじゃね!?」


「おーどれどれ!」


遠野君が友達に呼ばれて席を離れる。



「いきなりキスって何だよー。」

「いいじゃん別に」


みんなが教室の前の方で戯れてる中、私たち2人は後ろでロッカーに腰掛けながらそれを眺める。


「みんなとワイワイしないの?」

「うん」

「何で?」

「ここでみんなの青春絵図を見守ってるんじゃん?」



相川はそういって私を見る。



「…ん…」

相川がロッカーから降りて、みんなに背を向ける様にして立って、私にキスをする。

舌が入ってきて、心臓がドクッと打った。


「…バレるよ」


私がそう囁くと、相川は私を抱いて床に下ろした。


みんなの机があるから、床に座る2人のことなんて見えないはず。



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