恋愛の始め方
いつか、人は死ぬ。

それが、早いか、遅いかの違い。

助ける為の処置はするが、助けられなかった責任を問われても困る。

助けたいと思うが、諦めない心があたしには足りないんだと思う。

あたしは、奇跡を信じない。

1%の可能性にも掛けなけば、無理なものは無理と、簡単に諦めてしまうような人間なのだ。

そんなあたしは、医師には向かない。

もしかしたら、看護師にだって向かないのかもしれない。

でも、どうしてもこの場を離れることが出来ない。

亡きお父さんの面影を、あたしは未だに探してしまう。

最初で最後の同じ医師として過ごした、あの一瞬があたしの頭から離れてはくれない。

目指すところは、お父さんのような医師。

だけど、それはあたしと真逆な医師でもある。

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