恋愛の始め方
あたしは、大きなため息をついて歩みを進めようとした。


「おい」


なのに、そんなあたしのことを間宮は引き止める。

何よ。

あたしは怠そうに、顔だけ間宮に向ける。


「足、まだ痛むんだろ?」


平然を装って居ても、足が痛いのは事実。


「対したことない」

「その割には、怪我した足を庇って歩いてる。そんなことしてたら、いずれ反対の足も痛み出す。時間の問題だ」


なんだ、その脅しは。


「わかってて、やってるんだとしたら、医師としてどうかと思うけど。医師の癖に、自己管理も出来ないってどうなの?」


どうなのって、言われても。

いや、今はそこじゃない。

あたしは、間宮の言葉を頭の中で繰り返す。

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