恋愛の始め方
菅原とあたしは、生きてる世界が違う。

そう、彼女に言われた気がした。


「何の責任も取れない看護師が、責任を負う医師の足を引っ張るなんて、絶対にあってはイケない。頑張ってるって、さっき言ったわよね?頑張りだけじゃ、誰も救えないわ」


そんなこと、言われなくてもわかってる。

あたしは今、すべてを否定されたような気がした。

あたしには、誰も救えない。

そう、菅原に言われた気がした。


「失礼します」


やっと出た言葉を口にし、頭を下げ、逃げるようにその場を後にした。

悲しいのか?悔しいのか?わからないが、涙が溢れた。

瞳いっぱいに溜まる涙を、溢れないように必死に上を向いた。

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