恋愛の始め方
「裁判になった患者の家族から「人殺し」って言われて、正直に傷ついた。だけど、医師としてやる事はやった。そう、心の中で開き直ってた自分が居たの」


医師として、お母さんを患者として見るなら、あたしはそこに一線を引く。

そしてお母さんが死んでも、泣く日なんてないだろう。

数多く見て来た、患者の1人が死んだ。

それくらいにしか、思わないだろう。

医師のあたしは、とても冷たい人間だ。


「患者がお母さんでも、その家族が直哉でも、きっと変わらない。お母さんを殺しても、平然と死を受け止める。直哉に謝ることもないと思う。それでも、あたしに頼む?」


それで頼むと言うなら、あたしはお母さんの手術を受けよう。

< 174 / 404 >

この作品をシェア

pagetop