恋愛の始め方
志乃へ

この手紙を読んでるってことは、待っててやれなかったか

ごめん、志乃

俺、癌の末期だった

この前帰ってきた時、話そうか悩んだが話さなかった

志乃のことを、迷わせてもダメだと思ったから

でも待てなかったってことは、結局迷わせてるんだろうな

死んで、志乃の様子が見えない分

何と書き残せば、志乃に届いてくれるか

今の俺は、必死に言葉を探してる

志乃は、昔から手が掛からない子だった

親として、そんな志乃にたくさん助けられた

でも、あんまり我慢し過ぎるな

寂しい時は、寂しい

辛い時は、辛い

苦しい時は、苦しい

そう、素直に口にしなさい

そして、たくさん甘えなさい

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