恋愛の始め方
「あたしは、どうすれば良いの?」

「今月のシフトは出来てるし、志乃の代わりの看護師も探さなきゃならねぇから、来月からにするか?」

「わかった」


経営者の1人である、直哉がそう言うなら、それが1番良い方法なのだろう。


「救命の臨時医師だが、志乃がやりたいって思うなら、お袋の手術が終わったら移動も考えよう」

「うん」

「話は終わりだが、こっちに来たついでに、カルテに目通して行くか?」

「うん」

「なら、取ってくる」


そう言い、直哉は部屋から出ていった。

あたしはジッと、自分の手を見つめる。

身内の、しかもお母さんの手術をすると言うのに、どうして何も感じないのだろう。

普通は、絶対助ける。と言う決意や、大丈夫だろうか。と思う不安なんかあっても良いはずなのに。

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