恋愛の始め方
それから数週間後、あたしはまた前の病院へと戻った。


「短い間ですが、よろしくお願いします」


そんな当たり障りのない、挨拶をする。

いろんな視線が、あたしへと集まる。

前までのあたしなら、一々気にしていただろう。

でも、不思議と今は気にならない。

ただ白衣を羽織っている居るだけで、こんなにも違う自分になれるものなのか?自分でも不思議で仕方ない。


「よろしく、志乃」


そう言い、陸はあたしに手を差し出す。

その手を握り返す気なんて、あたしには更々ない。


「前から思ってたんだけど、なんで救命医なの?」


陸の専門は、麻酔科医だ。

その陸が、どうして救命医をしているのか?わからない。

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