恋愛の始め方
幸せだと言い切れる自信なんてないけど、あたしは不幸なわけじゃない。

だってあたしは、まだ頑張れるから。

さぁ、今日の残りの仕事も頑張りますか。

今、あたしがここに居る意味を証明するためにも。

そして、あたし達は自分たちの仕事へと戻った。

仕事へとスイッチを切り替えれば、時間なんてあっという間に過ぎていく。

激務の救命は、あたしにはちょうど良い。

考えている時間も、立ち止まる時間も、そんな時間なんてもの存在しない。

少しでもブランクを取り戻す為に、数多くの患者の治療に携わる。

寝ている時間さえ、無駄に感じてしまう。

そんなあたしのことを、彼が心配そうに、気にかけていたなんて、あたしはこれっぽっちも気づかなかった。

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