恋愛の始め方
次の日、式に出るために、あたしは前の町へと戻る。

式の時間に合わせ、式場のホテルへと足を踏み入れる。

案内に従って、親族室へと向かう。

親族と言っても、両親は居ないわけで、正直憂鬱だ。


「やっと来たか、志乃」

「あら、志乃ちゃん」


お母さんの方のお爺ちゃんとお婆ちゃんに声を掛けられる。


「お久ぶりです」


あたしは軽く、頭を下げた。


「美人さんになったんじゃない?」


なんて、お婆ちゃんが笑顔で話しを振る。


「いえ、全然」

「ダメよ?せっかくの美人さんなんだから、仕事ばかりしてちゃ。女なんだから、女の幸せも考えなきゃ」


お婆ちゃんの言葉に、苦笑いしか出てこない。

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