恋愛の始め方
チュッと、名残惜しそうに離れる。

どちらともなく、自然と視線が絡まる。


「そう言えば、行き先は?」


意地悪な笑みを浮かべ、間宮は今更そんなことを尋ねて来る。


「性格悪」

「フッ。言わねぇなら、俺は帰るから」


そう言い、あたしの返事も待たずに車を走らせた。

そして間宮は自分のマンションの駐車場に車を停めると、サッサッと降りる。

ここに連れて来られて、車の中に置き去りにされても困るんですけど。

あたしに、どうしろと?

困っていると、そんなあたしに気付き、間宮は助手席のドアを開けた。


「降りねぇの?」


そう言われても、素直に頷けるほど、あたしは可愛い女じゃない。

< 348 / 404 >

この作品をシェア

pagetop