恋愛の始め方
あたし、ワガママな女だな。

そんな自分に呆れて、自嘲的な笑みが零れた。

そして気付けば、車はあたしが住む町に入ろうとしていた。


「意外と早く着いたな」


町の名が書かれた看板を通り過ぎようとした時、間宮がそんな言葉を吐く。


「でも、帰りはきっと長いんだろうな」

「距離自体は、変わりませんよ」

「だろうな」


そんな会話をしていると、診療所が見えてくる。


「結構、新しいんだな」


診療所の駐車場に車を止め、間宮は降りる。

グッと伸びをし、空を仰ぐ。


「静かな町だな」

「田舎なだけですよ。車より、原付や自転車の住人が多いし」


若い人は次々町を離れ、戻ってくることもそうそう無い。

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