どん底女と救世主。
「課長はモテるから、お弁当を作ってくれるような彼女がいるって設定にして、女の人の気を逸そうとしてるんじゃないですか?」
「そう捉えるか」
「他にどう捉えたらいいんですか」
私の言葉に課長は不服そうに眉を寄せた。
私的には、一番しっくりくる答えにたどり着いたというのに。
それから少し間を置いて、課長はゆっくりと口を開いた。
「たとえば、圧力とか?」
「誰に対しての、何の圧力なんですかっ…」
「お前に決まってるだろ」
「わ、たし…?」
私に対しての圧力?それって一体何の圧力?
意味が分からないのに、課長の射抜くような瞳にどんどんと鼓動が加速していく。
「大人しく俺のものになれという圧力だ」
え…?