死は始まりなのだと彼等は言う
忠は恥じらうことなく淡々と説明した。俺だけ固まって恥じらって、何とも情けない。
「あー……なるほ、ど……?」
「そんで、それを実行したらこいつは……百面相して女の子の所行って土下座したってさ。そんとき俺らは大学卒業したばっかでよ、ゲラゲラとみんなで笑い転げたもんよ。あ、こいつは、浪人したんだっけか。」
「へ……へぇ……。」
俺が居ない間にそんなことがあったとは予想外だった。これがよく言うパリピと言うものなのか。忠は俺のスマホのカメラで更に慎也の写真を撮る。そしてそのまま床に寝かせた。慎也はハーハーと息を荒げ、耳まで赤くして忠に魂を取られたようにくったりしていた。
「っ……つか……ここまでするかよ普通……いくら親友でも……きっ……キス…とか、は……。」
「……あー……フハッ……お前も結構なウブちゃんだったんだなぁーww」
「わっ、笑うなよっ!……そりゃあ……まだ、色々と新品ですしぃ?……それに……まだ、恋人も……人生で1度も出来たことないしよ……。」
『そもそも、恋愛とか分かんないし……。』
「……お前知ってるか?お前学校でめっちゃモテてるの。生徒も先生も、お前がすっごいイケメンで優しい先生だって、いろんな所で噂になってんだぜ。」
「えぇっ……。」
元々噂話や恋愛話に疎い俺には、自分はモテるどうこうなんて考えたこともなかった。自分の容姿にそこまで自身もないし、性格に関してはネガティブで鈍感で、あまりいいイメージは無かった。
「お前の数学教師の先輩、平泉先生いるだろ。理系繋がりでよく話すんだけどよ、お前のこと話すときまるで……なんつーか……恋する乙女?みたいな感じで話すんだぜ?お前あの人に何したんだよ?今までよりも可愛さ増し増しで、その姿に虜になる男子が急増中だぜ?どうしてくれんだよww」
「えっ、と……なにかしたとか、そんな訳じゃ……素直に、ありがとうございますとか、優しいですねとか……言っただけだけど……。」
「うわー、無自覚かぁー……この天然たらしが。昔からほんと変わってねぇなぁお前。」
「あははは……。」
『そんなことになっているなんて……全然分かんなかったなぁ……。』
霧谷君のときは何となく分かったのに、なんで女の人となるとこうも鈍くなってしまうんだろうか?俺は無自覚になにを振り撒いているのだろうか。
「まぁその話も明日するとして、今日はもう帰ろうぜ。今週もまだまだ長いことだしよ。」
「……まぁ、そうだな。」
「新人君っ、初日お疲れちゃん。明日、遅刻するんじゃねぇぞっ。」
「はぁい。頑張りまぁすせんぱぁい。」
「ははっwうっぜぇww」
こうして、俺と2人の再開パーティーは幕を閉じた。完全に伸びてしまった慎也を担ぎ、タクシーに投げ入れて、2人は帰っていった。人生で初めてお酒を口にして、すんなりと飲めたことに少し違和感があったが、それも天使達がそういう風に俺を作ってくれたのだろう。短い時間だったが、学生の頃同様に打ち解け、楽しい時間を過ごせた。
「────つっかれたぁー……。」
家に着いたと同時に、大きなため息が出た。ほんの少ししか飲んでいないのに、未だに暑いし、頭はボーッとするし、もうヘトヘトだ。
『あまり飲んでないのになぁ……なんでこんなに疲れてるんだろ……?』
ヨタヨタと歩き、乱暴にジャケットを脱ぎ捨てた。とてつもない睡魔に襲われながらも、服を脱ぎ風呂場へ向かった。
「ふぁ〜……眠……。」
冷水シャワーを頭からかぶり、気を持たせる。せめて身体だけでも洗ってしまいたい。
「……へっくしゅんっ……はぁ……。」
時々寝ながら体を動かし、石けんを身体に塗る。やっとの思いで身体を洗い終わると、布団へゾンビのように這って行く。
『あぁ………体……拭かなきゃ……寝間着………。』
体が重い。こんな疲労感は今まで体験したことない。こんなに体がいうことをきかないのは、初めてだ。
『……眠、い…………。』
俺は髪もろくに拭かずに、下着だけの状態で眠ってしまった。
「あー……なるほ、ど……?」
「そんで、それを実行したらこいつは……百面相して女の子の所行って土下座したってさ。そんとき俺らは大学卒業したばっかでよ、ゲラゲラとみんなで笑い転げたもんよ。あ、こいつは、浪人したんだっけか。」
「へ……へぇ……。」
俺が居ない間にそんなことがあったとは予想外だった。これがよく言うパリピと言うものなのか。忠は俺のスマホのカメラで更に慎也の写真を撮る。そしてそのまま床に寝かせた。慎也はハーハーと息を荒げ、耳まで赤くして忠に魂を取られたようにくったりしていた。
「っ……つか……ここまでするかよ普通……いくら親友でも……きっ……キス…とか、は……。」
「……あー……フハッ……お前も結構なウブちゃんだったんだなぁーww」
「わっ、笑うなよっ!……そりゃあ……まだ、色々と新品ですしぃ?……それに……まだ、恋人も……人生で1度も出来たことないしよ……。」
『そもそも、恋愛とか分かんないし……。』
「……お前知ってるか?お前学校でめっちゃモテてるの。生徒も先生も、お前がすっごいイケメンで優しい先生だって、いろんな所で噂になってんだぜ。」
「えぇっ……。」
元々噂話や恋愛話に疎い俺には、自分はモテるどうこうなんて考えたこともなかった。自分の容姿にそこまで自身もないし、性格に関してはネガティブで鈍感で、あまりいいイメージは無かった。
「お前の数学教師の先輩、平泉先生いるだろ。理系繋がりでよく話すんだけどよ、お前のこと話すときまるで……なんつーか……恋する乙女?みたいな感じで話すんだぜ?お前あの人に何したんだよ?今までよりも可愛さ増し増しで、その姿に虜になる男子が急増中だぜ?どうしてくれんだよww」
「えっ、と……なにかしたとか、そんな訳じゃ……素直に、ありがとうございますとか、優しいですねとか……言っただけだけど……。」
「うわー、無自覚かぁー……この天然たらしが。昔からほんと変わってねぇなぁお前。」
「あははは……。」
『そんなことになっているなんて……全然分かんなかったなぁ……。』
霧谷君のときは何となく分かったのに、なんで女の人となるとこうも鈍くなってしまうんだろうか?俺は無自覚になにを振り撒いているのだろうか。
「まぁその話も明日するとして、今日はもう帰ろうぜ。今週もまだまだ長いことだしよ。」
「……まぁ、そうだな。」
「新人君っ、初日お疲れちゃん。明日、遅刻するんじゃねぇぞっ。」
「はぁい。頑張りまぁすせんぱぁい。」
「ははっwうっぜぇww」
こうして、俺と2人の再開パーティーは幕を閉じた。完全に伸びてしまった慎也を担ぎ、タクシーに投げ入れて、2人は帰っていった。人生で初めてお酒を口にして、すんなりと飲めたことに少し違和感があったが、それも天使達がそういう風に俺を作ってくれたのだろう。短い時間だったが、学生の頃同様に打ち解け、楽しい時間を過ごせた。
「────つっかれたぁー……。」
家に着いたと同時に、大きなため息が出た。ほんの少ししか飲んでいないのに、未だに暑いし、頭はボーッとするし、もうヘトヘトだ。
『あまり飲んでないのになぁ……なんでこんなに疲れてるんだろ……?』
ヨタヨタと歩き、乱暴にジャケットを脱ぎ捨てた。とてつもない睡魔に襲われながらも、服を脱ぎ風呂場へ向かった。
「ふぁ〜……眠……。」
冷水シャワーを頭からかぶり、気を持たせる。せめて身体だけでも洗ってしまいたい。
「……へっくしゅんっ……はぁ……。」
時々寝ながら体を動かし、石けんを身体に塗る。やっとの思いで身体を洗い終わると、布団へゾンビのように這って行く。
『あぁ………体……拭かなきゃ……寝間着………。』
体が重い。こんな疲労感は今まで体験したことない。こんなに体がいうことをきかないのは、初めてだ。
『……眠、い…………。』
俺は髪もろくに拭かずに、下着だけの状態で眠ってしまった。