空の上から愛してる


気がつけば空はオレンジ色に染まっていた。
もうそんなにも時間が過ぎたのか。
早いな…と空を見上げて実感をする。



《もうすぐ閉園の時間です》



館内アナウンスが流れる。
もうデートが終了すると語っているよう。



「帰ろっか?」


「うん…帰ろっか」



本当はもっと一緒にいたい。
歩き出したとき、あることを思い出した。
あ、そうだ。忘れていた。



「優くん待って」



「どうした?」



あたしはカバンの中を探る。
この前、お父さんに買ってもらったの。
それは…。



「写真撮らない?カメラ持ってきたの」



コンパクトデジカメ。
先輩を思い出すけれどそんなのどうでもいい。
あたしは優くんと撮りたいのだから。
ベビーピンクのデジカメ。あたしの一目惚れ。



「写真?いいけど?」



「じゃあ、撮ろ?」




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