空の上から愛してる


そうだよね。
驚くよね。
でも斉藤くんに言っておきたかったの。
あたしの気持ちを…。


怖がらずに言いたかった。



「…ごめんね…。あたし…限界だったの」



「いいけど…さっきの言葉は何?俺、いきなりだったから頭が回らなくて」



あの言葉の意味はそのままよ。
あたしはまだ優くんが好きなの。


見て、これを…。



ポケットの中からあるものを取り出す。
あたしのお守り。



「…あたし、しつこい女かな。…見て?」




手を広げて、斉藤くんにあるものを見せるあたし。
それは太陽の光に反射して、存在を示した。


重なった二つのリング。内側に名前の彫られた、二人のリング。



「これって優とのだよな?…小林は優を忘れてないんだな」



「忘れられない…。身体中にあるの。優くんの熱が…。でも無理だよね…」



優くんにはっきり言われたから。
《ナナしか見てない》って…。




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