空の上から愛してる



「優くん?寂しくなったら、あの場所に行って夜空を見上げて?あたし、いつまでも優くんの隣にいるから、一緒に夜空を見上げているから」




知っていたよ、優くんが泣いていたこと。
だからあたしは泣いちゃダメだって思ったの。



「ねぇ…優くん?…勉強頑張って?夢叶えて?百合も頑張るから」




「うん…うん…」




「あとね、これだけは言っておくね…」




「な…に?」




言えなかった言葉。
照れくさくて言ったことなかったよね。



「あたし…優くんのこと…」




でも神様は、あたしにこの言葉すら言わせてくれなかった…。




《まもなく○○時発、○○便○○行きの、搭乗を開始します…》



アナウンスがロビーに広がる。
あたしたちかが引き裂かれた瞬間。




「百合!早くしなさい!」



もうあたしには時間がない。
涙を我慢して、あたしは背伸びをした。



瞼を閉じて顔を傾ける。



別れのキスの味は、しょっぱかった。



最後に優くんに笑顔を向けて、走ってゲートに入っていく。




さようなら、優くん…。




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