いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。

真実




放課後、あたしは教室で律くんを待っていた。

窓からサッカー部を見るなんてことはせず、ただじっと、自分の席に座って。



「あ……、」



まただ。

そう思ったのは、きっと向こうも一緒。


入口で一瞬歩幅を狭くしたあと、中へ入って来たのは黒崎くんだった。



「……今日も補習?」


「……ああ」



毎日補習なのかな。



「大変、だね……」


「全然」



あ、そっか。

黒崎くんは秀才なんだった。


もしかしたら、赤点で補習なんて人は黒崎くん以外にいないのかな。


明應高校だもんね……。



「アンタは…………べつにどうでもいいか」


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