もしもの恋となのにの恋
私は忍に千鶴に告白するよう助言した。
すると忍は痛そうに笑ってゆるゆると首を横に振った。
場所は私と忍以外、誰もいない寂しい教室だった。
チャイムが虚しく鳴っていた。
黒板には何の文字も書かれていなかった。
チョークの白い粉は空気中に怪しく舞っていた。
そして、それは暖かな夕日にそっと照らされていた。
虚しいチャイムが鳴り終わると忍は静かな優しい声で『千鶴に相応しいのは自分ではない』とはっきりとそう言い切った。
そして、忍は私に深々と頭を下げると信じられないことを口にした・・・。
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