もしもの恋となのにの恋

「千鶴・・・俺は昔からお前のことが好きだ・・・」
俺のその言葉に千鶴は大きな目を更に大きく見開き、はっきりと息を詰まらせた。
やっぱり、気づいていなかったか・・・。
この鈍感女・・・。
俺はそう心の内で毒吐いて大きな溜め息を吐き出した。
千鶴は俺の下で頬を僅かに紅潮させていたが目を逸らすことはしなかった。
そんなところがどうしようもなく好きだ・・・。
「・・・好きだ。どうしようもないほどに・・・」
俺はそれだけを口にし、先程から押し倒したままだった千鶴を解放した。
・・・いや、しようとした。
それを千鶴は許さなかった・・・。
千鶴は俺を抱き寄せ、俺を捕まえた。
俺は千鶴の腕の中で目を見開き、息を詰まらせた。
これじゃ、まるで形勢逆転だ・・・。
千鶴の顔が俺の顔のすぐ横にある近い距離・・・。
俺は千鶴の腕の中で大きな溜め息を吐き出した。
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