この想いを口にさせてください。




高校に入学してからも、そんな毎日は決して変わらない。


だけどたまに放課後呼び出されて告白をされてから、無性に彼女の笑顔が脳裏によぎり始めていた。


もしも今目の前で告白をしてくれてる女の子がゆずだったら?

なんて最低なことを考えてしまう。

でも、
そう考えられずにはいられなかった。


それほど、俺の人生の中でゆずという存在はとても大きなものだった。


だったら自分で告白をすれば早い話なのに、
それができない俺はまだ臆病者なんだと思う。


本当は怖いから。


人の心なんて見ただけではわからない。


もし告白をして断られたらと思うと、
怖くてそんなこと口にできなかった。


なんなら一生このままでいいとも思った。


彼女のそばにいられるのなら、それは俺にとって本望でしかない。


だけどその考えは、一気にかき消されたのだった。




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