姫色-Hime*iro-


始業式も無事に終わり、ついにホームルームの時間がやってきた。



「えー、今日はみんなに転校生を紹介する。
宮部さん、どうぞ。」




そう言われて、教室に入る。


教室には当然のことながらお嬢様の姿もある。



「宮部なぎさです。どうぞよろしく。」


俺はごく一般な挨拶をした。
ホント一般的だな。



「じゃあ宮部さんの席は…

卯崎の隣な。」




お嬢様の隣、か。



いいのやら悪いのやら…










そんなこんなでホームルームも終わり、帰り支度をしていると、誰かが話しかけてきた。




「珍しいなぁ、こんな時期に転校生らぁて。」



「はぁ…」



「あ、別に疑っちょるわけやないよ。
宮部さん、やっけ?
ウチ、大城撫子。仲ようしてやぁ。」



「あ、こちらこそ。」




すると、ドア近くでお嬢様の声がした。




「なぎさー、帰るわよー!!」



「すぐ行きます!!
じゃあ大城さん、また明日。」








なぎさ達がいなくなった教室――



『そうかぁ、卯崎由妃の知り合いかぁ。
ちょいと調べてみる必要がありそうやなぁ。』



.
< 5 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop