毎日だって好きって言うよ。
ちゃんと言葉は通じてます。
通じているのに通じてないふりしてます。
だって私、今日は何としても悠太先輩と一緒に帰らなきゃいけないんです。
いつもみたいに追い払われるわけにはいかないんです。
なぜかというと、理由はただ一つ。
「悠太先輩は趣味ってありますか?あ!よく難しそうな本とか読んでますよね!?どんな本が好きとかあります?映画とかドラマとかは…」
「ピヨちゃん。」
「ふぐっ!」
いきなり立ち止った悠太先輩の背中に鼻をぶつけた私は、鼻を押さえながら足を止める。
これが地味に痛くて、涙で視界が霞む。
「これは一体、何の取り調べ?」
視界が戻ってくると、目の前にはそれはそれは綺麗な悠太先輩の顔があって、
「うわぁぁぁ!!」
私は、反射的に飛びのいてしまった。
「……」
「あ…すみません…」
しまった。
ちょっと驚きすぎたかな…。
悠太先輩は珍しく、ちょっとムッとした顔をしてまた背を向けて歩き出してしまう。