家政婦だって、恋したい



中学の頃はよく緑花と3人で、

買い物とか映画館とか行ったけれど、

私と確か6つ、歳が離れている朱音さんは、大学を卒業するとすぐにアメリカへ留学してしまった。



それ以来だから、

かれこれ9年は会っていなかったと思うが、9年経った今でも変わらず素敵なままだ。





「本当は、拓哉と麗奈のお披露目会なんて、わざわざ来てやる気なんてなかったんだけど、緑花が面白いことするっていうから、飛んできちゃった。」


『面白いこと』ってきっと、私絡みなんだろうなと思いながらも、

昔からマイペースな2人に付き合っていた名残か、何も突っ込まずにやり過ごす。



「…仮にも親戚なのに、朱姉ったらひどいわね。」

緑花が一応、本日主役の拓哉さんたちを哀れんで養護している。

「何がひどいもんですか。なんでお披露目会なんてやる必要があるわけ?どうせ、結婚式と披露宴で会うんだし、1回で終わらせるべきだと思わない?」

「…確かにそうよね、お金も掛かるし。」

緑花の養護は、あっけなく終わりを告げた。




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