家政婦だって、恋したい




「しかもこの私がわざわざ、ハリウッド女優や、有名アーティストのヘアメイクの予約をキャンセルしてまで来てあげたのよ?これぐらい言わせてもらわなきゃ。」

「はいはい、有名ヘアメイクアップアーティストのお姉様にわざわざ来ていただきまして、大変感謝致しておりますよー」

「あんたじゃなくて、拓哉が言うのよそのセリフは!!」



先程まで少し気落ちしていたのだが、

目の前の2人の会話がなんだか懐かしくって、私は思わず笑ってしまう。


それを見た緑花は、なんだかほっとした表情を浮かべていた。






「…さて、と。このお嬢さんを、さらに素敵にして差し上げますかね?」


朱音さんは、廊下に置き去りにされていたらしい大きなキャリーケースを床に寝かせ、

中に敷き詰められていたメイク道具たちを手に、気合を入れた。





「さぁ!作戦開始よ!」

緑花の合図の元、本人以外で決行された作戦は開始されたのだった。






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