家政婦だって、恋したい

ー碧斗sideー





とある有名ホテルのパーティ会場で俺は、

拓哉と麗奈の婚約披露パーティに来ていた。


やっとくっついたと、俺を含めた親戚中がこの婚約パーティに安堵しているのだが、
本人たちは気づいていないだろうな。


「よぉ、碧斗!来てくれたんだな。」

麗奈と二人、親戚やお偉いさん方に挨拶に回っているのだろう拓哉が、俺を見つけるとすぐにやってきた。

「当たり前だろ。藤崎家は全員参加だからな。…姉貴は来ないかもしれないが。」

「ふふっ。まぁ、朱音だしねぇ。結婚式は来ても、『結婚式だけでも面倒なのに、なんでお披露目会なんて行かなきゃいけないのよ』って、今日は来ないかもしれないわね。」

流石、姉と親友なだけあって、麗奈は本当に姉が言いそうな言葉まで理解しているようだ。



「それにしても、緑花がまだみたいね?あの子も来ないの?」

麗奈は周りをきょろきょろと見渡し、緑花を探している。









< 264 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop