もしも、もしも、ね。
会話くらいはするけど、出来る限り関わりたくないランキングに余裕でダントツぶっちぎりのNO.1。
そろそろ殿堂入りするんじゃない?っていう感じ。
「悪いけど。」
あーあ、断っちゃった。
考えるような素振りもなくキッパリスッパリと。
うーん。結構カワイイっぽそうな子だったのになぁ。
声だって女の子らしい感じで。
―――あぁ。それが一応篠田の売りだっけ。
自己完結して私はヘッと鼻で笑った。
オールジャンルの女の子が告白失敗だと、そういえばクラスの子たちも騒いでた気がする。
見た目や人気と反対に、そこが硬派でいいんだとか。
・・・さっぱりわかんない。
「す、好きな人とかいるんですか!?」
「は?」
女の子が体を前に出して勢いよく尋ねている。
一方篠田は間抜けな声を上げて引き気味に一歩後ずさった。
なんだ、意外と押されると弱いんだ。
授業中先生に対してすら高圧的というか冷静な態度を示すヤツだったから、
なんだかおかしくてクスクス笑った。
「断るってことは、好きな人か付き合ってる人いるんですか!!?」
「え・・・いや・・・」
「私のこと嫌いだから断るんですか?よく知らないからですか?」
随分とよく攻める子だなぁ。
よほど篠田のことを好きみたいだ。
・・・やっぱり理解出来ないけど。
しばらく間をおいてから、篠田はゆっくりと口を開いた。
「それ知って、どうするんだ?」
「だって頑張るチャンスがあるのとないのじゃ全然違うじゃないですか。」
うわー、なんかめっちゃポジティブ。
私は驚きで目を見開いた後、篠田の答えに興味津々でより体を乗り出した。
その瞬間。
ガシャンと金属音を立てるフェンス。
やばっ、と私は一瞬で慌てて身を引いた。
ば、ばれてないよね・・・?