もしも、もしも、ね。

―――そういえば考えたことなかった。

私って初めての彼女なのかな。

それとも、過去に彼女がいたことあったのかな。



どうして告白を断っていたんだろう。

カワイイ子も、優しい子も、綺麗な子も、明るい子も。

ユウに告白したっていう子は、みんな学校内で人気のある子なのに。



どうしてユウはあの時「私が彼女だ」って嘘ついたんだろう。

今までだってきっと詰め寄られたことあったと思うのに。

その時はどうしてたの?

今回はどうして嘘付いたの?

私以外の女の子があそこにいたら、その子を彼女にしていたの・・・?












「・・・りッ。・・・暁里ッ!!」

「え?って、いったぁぁッ!!」

「ちょ、何やってんの!?」

「大丈夫ぅ?」



どうやらボーっとしていたらしい。

望果の声に我に返ったものの、無意識に縫っていた針で手をグサリ。

慌てたなっちと、マイペースながらに心配してくれるともちゃん。


けど、結構痛い。

左手の人差し指から、ぷくーっと赤い玉が浮かび上がって、指の腹を伝った。



「へぇ、針で刺すだけでこんな血出るんだぁー・・・」

「何ぼけた観察してんのよ!!」

「結構深く刺さってたんだから当たり前でしょ!!」

「やぁー、大丈夫ぅ?暁里ちゃぁん。」



なんとも言えない温度差。うーん、漫才行けるかな?

こんなこと言ったら、針どころか裁ちばさみ突きつけられそうだから言わないけど。

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