クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 ようやく金曜の午後を迎え、閉じ込めていた本当の自分が少しずつ出てこようとする。
 明日は誘われている異業種交流と名の付いた大人数の集まりがある。今日の仕事はできるだけ早く終わらせて、予約に間に合うようにネイルサロンに行き、早々にベッドに入って明日に備えよう。
 社内恋愛を諦めたなら、社外で大いに恋愛活動をするに限る。



 夕刻が進み、定時を今か今かと待つ同僚の隣で、せかせかとキーボードを打つ。明日までと言われたわけじゃないけれど、仕事が早いほうがいいのはいつだって変わらない。


「瀬織さん」

「は、はいっ!」

 PC画面に一点集中させていた視線を、千堂部長の麗しいお顔が遮った。驚くのも動揺してしまうのも当然なのに、私の顔を見ながら微笑む千堂部長は平常心のようだ。


「これ手伝ってくれないかな。経営会議で使う資料なんだけど」

「経営会議、ですか」

「ある程度で構わないよ。最後は私が手を入れますから」

「わかりました」

「それと、これは来週中にできればいいからね」

 急ぎではない資料作成に勤しんでいるのを見逃さず、気遣ってくれた部長の背中を目で追う。


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