クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「千堂部長、私がこの前お送りした企画資料、ご覧いただけました?」

「ちょうど良かった。その件でちょっと打ちあわせできますか?」

 意気揚々と可愛らしく返事をした佳乃さんは、自席からペンと資料のコピーを持って部長のあとに続いてドアへと向かう。
 ミーティングルームへと誘う(いざなう)ように、部長は彼女の背に触れることなく手を添え、レディファーストとばかりに先にフロアから送り出した。


 ぬかりない美形って、どこかにある“ほつれ”を探したくなる。
 完璧がこの世にいないとされるのは、そうじゃなきゃ人間らしくないからかもしれない……なんて、こんなことを考えている暇はなかった。早く仕事を終わらせて、ネイルサロンに行かなくちゃ。



 定時を過ぎ、次々に席を立って帰っていく同僚の姿。

 佳乃さんも定時5分前には戻って、そそくさと退社していった。私と共に残る1人は新入社員男子で、残念ながら私の目には平凡にしか映らない。魅力がないわけじゃないだろうけど、目立つタイプでもないし、無理やり中心にいようともしない、いかにも日本人というか……。


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