クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「いえ、皆さんが無事到着できればそれで構いません」

 焦って答えると、部長は当然と頷いて座席にもたれた。


 微かに香る部長の匂い。いつか車に乗せてもらった時に知ったのと同じだ。

 陽光が射して、目を閉じている部長のまつ毛が透けるように輝く。

 叱られたり迷惑をかけたり、正直言ってこのところ足手まといになっているはずなのに、ちゃんと優しくいつもと変わらず接してもらえるから、ずいぶんと救われているのは確かで……。



「何か、用ですか?」

「いえ」

「そんなに見られると、観察されているのかと」

 ちらりと視線だけをよこされ、その流し目にズキュンと音がしそうなほどに射抜かれた。


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