クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
流れで空いていた千堂部長の隣へと身体を収める。
膝の上に置かれたモッズコート。
Vネックニットがカシミアだって分かるのは、やわらかな風合いが上品だから。
色の落ちかたが綺麗なブルーデニムは、余裕で組まれた長い脚を包んでいる。
「あの、待っていなくてもいいのでしょうか」
「遅れてくるほうが悪い。旅行は旅行でも、社員旅行ですからね」
点呼のために作ったA4サイズの一覧表に視線を落とす。
柏原さんは、まだチェックマークがない。
宿の場所、確認してくれたかな。仕事が忙しくて私からのメールなんて見落としているかもしれないし、それに遅れるって連絡するにも、元カノには言いにくかったりして……。
「それとも、待つの?彼だけ」
考えを見透かされ、口を噤む。
企画打ち合わせの件があったのに、今日になってまで彼を引きずっているなんて言えるはずがない。