クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
宿に着いて、宴会が始まるまでは自由時間だ。
併設されたカフェに行くもよし、広大な庭で散歩するのもアリ。
「んあー……」
廊下の端っこにある個室は、他の部屋と比べてやや手狭だけど、誰の目も気にせず過ごせるのは旅行の醍醐味だ。
部屋に着くなり、私は畳に寝転がって、手足を大きく伸ばした。
企画を任されてから、ずっと気が張っていた。
柏原さんと恋を始めてから、社内でバレないように気を遣い続けた。
別れを告げられてから、緊張の糸が不意に切れてしまわないかと不安だった。
「疲れた……」
仕事にも恋にも懸命になるのはいいことなのに、歯車がかみ合わなくなって一気に狂いだしたんだろうな。
部長が旅行が終わるまでは打ち合わせを見送ってくれているのも、仕切り直しのためだ。
恋も、私の心の揺れも、切なさで溢れそうになる涙も。
全部やり直せたらいいのに。