クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「出掛けるのか」

「はい、待ち合わせの時間があるので」

 支度を終えて、バッグを取りに部屋を出たところで部長が声をかけてきた。


「帰り、終電なくなるようだったら連絡してこい。迎えくらいは出てやる」

「ありがとうございます。でも、ちゃんと終電の時間には間に合うようにします」

 持っていたピアスを着けて、玄関の姿見で全身をチェックして準備完了!



「今日はずいぶん気合入ってるんだな」

 部長が話しかけてくる間、8cmヒールのロングブーツを履く。いつもより少しだけ目線が近くなって、部長と真正面から向き合うような視界が新鮮だ。


「いい出会いがあるかもしれないので、楽しみなんです。では、行ってきます」

 穏やかな表情で見送ってくれる部長に、笑顔で答えた。


 木目調の玄関扉の施錠を外し、そっと押して開ける。

 新しい自分を始める1歩を踏み出すんだ。

 今日、いまここから。


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