クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 部屋着に着替えて、言われた通りにベッドに入った。

 彼がいないせいで、無駄に広い。一緒に横になっていても余るほどの大きさだから当たり前だけど、こういう時は何だか寂しく思う。



 枕を隣に置いて、壁にもたれてパソコンを開いた。

 あれから思うように進まなかったから、今日のことは今日のうちにやっておきたいだけ。
 明後日には休みに入るし、ここで躓いてなんかいられない。




「寝てろ、病人」

 忙しなく文字を打ちこんでいたら、部長がパソコンを取り上げた。


「大丈夫ですよ、薬飲んで寝たらこれくらい」

「体調悪い時までやらなくていい」

「だから平気ですって」

 ベッドサイドのテーブルに、湯気を立てたおじやが用意された。
 水とスポーツドリンクと、薬と体温計。熱さましシートまである。


「早く良くなってほしいだけだよ、俺は」

 素直になれない私の頬に触れ、ベッドに腰掛けた彼と見つめ合う。


 あぁ、また熱が上がってきたかもしれない。

 頬が、身体が、熱くて燃えるようだ。



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